先日、「週刊文春」(5月18日号)を読んでいて面白い記事を見つけました。タイトルは「百年生きる~究極の長寿食」という記事です。
先月16日に亡くなった世界最高齢者であったイタリア人のエマ・モラノさんの食生活をテーマにしたものでしたが、その記事中にエマさんが好んで食べていたフルーツはバナナだったと書かれています。記事の中では、バナナが長寿に貢献する理由として「ビタミン」や「モリブデン」を取り上げていましたが、特に「モリブデン」は消化酵素の働きを助ける効果があるそうです。
私たちが国産有機無農薬で生産するバナナは、農薬その他を一切使用していないために「皮ごと」食べられます。そして、その皮が甘くて味わい深いのです。バナナの実には上記の「モリブデン」をはじめ有用なミネラルやビタミンが豊富に含まれるのはもちろんですが、普段捨てていた皮にも素晴らしい栄養素が含まれています。それは「水溶性有機亜鉛」です。
亜鉛は人間の細胞を活性化・再生するために重要な働きをするミネラルです。しかしながら、金属としての亜鉛を人間が摂取しても簡単には吸収できませんので、「有機亜鉛」である必要があります。また「有機亜鉛」にも水溶性と脂溶性があり、水溶性の方が人体に吸収され易いのです。バナナの皮にはこの「水溶性有機亜鉛」がたっぷりと含まれており、バナナ1本の皮に含まれる亜鉛を採るためには、従来亜鉛が豊富といわれてきた「牡蠣」に換算すると70個分食べないといけないそうです。私も牡蠣は好きですが、70個は食べられません。しかも「水溶性有機亜鉛」は多く摂取しても余分な量は水溶性ですので、ビタミンCのように体外に排泄できるそうです。
ただし皆さん。普通の輸入品のバナナの皮は絶対に食べないでください。生産地で使用した残留農薬や輸送中の「燻蒸薬剤」が残っている可能性がありますし、化学肥料により皮に硝酸態窒素が溜まって苦い味なのです。
記事ではその他に、コーヒーやチョコレートも長寿に貢献する食べ物であると書かれていましたが、どちらも私たちが農場で栽培を目指している作物です。私たちは農業で日本の長寿に貢献したいと考えております。